ここ最近は、あまり明るい話題のなかったロータス。ブランドの将来を不安視する声も少なくなかったが、ようやく新たな方向性が示された。
ロータスは新たな事業戦略「Focus 2030」を発表。外部環境や市場変化への対応を進めながら、競争力強化と、柔軟かつ持続可能なビジネスモデルへの転換を図るという。これは、創立70周年となる2021年に掲げた「Vision80」からの、大きな方向転換ともいえる。
当時は1億ポンド規模の投資とともに、開発部門や工場の刷新を実施。さらにBEVを中心とした商品戦略を打ち出していた。現行エミーラも「ロータス最後のICE搭載モデル」とされていたが、そのシナリオは事実上見直されることになる。
リリースによれば、エミーラは今後も継続生産される予定。さらに、ジーリーとルノーによるエンジン合弁会社「Horse Powertrain」製V6ターボ搭載の噂も浮上している。
また、主要株主であるジーリーホールディングスとの連携もさらに強化される。技術開発やサプライチェーン、生産効率の向上を進めることで、市場投入までのスピード加速や収益性向上を図るという。

現在は、イギリスの「Lotus UK」と、中国の「Lotus Technology」に分かれている開発・生産体制も、単一法人化へ向けて動き出す。エミーラはヘセル、エレトレとエメヤは中国と、それぞれ別体制で展開されてきたが、今後は統合によってコストの最適化や次世代パフォーマンスカー開発に向けたエンジニアリング統合も進められる見込みだ。
そして今回、最も注目すべきトピックといえるのが、新型ハイパフォーマンスカー「Type 135」の存在だろう。2028年投入予定となるこのモデルは、1000ps超のV8ハイブリッドを搭載。生産は英国ヘセルで行われる予定で、ロータスが引き続き英国でスポーツカーを作り続ける意思も感じさせる。



昨年発表されたセオリー1は、新しいデザインと設計哲学が盛り込まれたコンセプトカーだ。
もちろん、ロータスが掲げる“マルチパワートレイン戦略”は、時代の流れを反映した現実的な判断でもある。しかし今回の発表からは、単なるEVブランドではなく、“ドライバーズカー・ブランド”としての原点へ立ち返ろうとする姿勢も見えてきた。
とはいえ、日本のファンが期待しているのは、やはりエランやヨーロッパ、そしてエリーゼへと続くライトウェイトスポーツカーの系譜だろう。次世代ロータスが、その夢にどう応えてくれるのかにも期待したい。

エレトレはハイブリッドが新たに追加された。日本への導入は未定という。