ポルシェ=911、あるいはRR。そもそもポルシェ市販車の歴史がフォルクスワーゲン タイプ1のコンポーネンツを活用しつつ、いわば“スーパービートル”とでも言うべき356でスタートしているのだから、それはDNAの継承という見方からすればもっともな話である。 しかし、その356シリーズが当初はRRではなく、ミッドシップスポーツカーとして開発が始まったというのも有名な話で、ポルシェ関連の書物を紐解けば、その序章にポルシェNo.1、または356/1と呼ばれる、市販型の356スピードスターにもよく似た試作車の写真を目にすることが出来るはずだ。356/1は鋼管スペースフレームシャシーに総アルミ製ボディを架装し、チューニングしたタイプ1用の1.1リッターエンジンを車体中央に搭載していた。理由は意外や判然としないが、おそらくはコスト面から356の量産にあたってはタイプ1に準じたRRへと変更されている。 そんな歴史もありつつ、並み居るライバル車たちの存在を意識してのことだろうか、ポルシェは914シリーズに始まり、種々のミッドシップスポーツカーを世に送り込んできた。しかし、ボクスターしかり、あくまで
どんな高額なスポーツカー/スーパーカーにも当てはまることだが、そのオーナー像というのはふたつに大別されると思う。ひとつは「他人の目を意識するタイプ」で、もう一方は「他人の目を気にしない、自己完結型」だ。しかし“ロードゴーイング・レースカー”の異名を取る、ポルシェ911 GT3オーナーの中には、その中間のような存在がいる。そこに目をつけたのは他でもない、ポルシェ自身である。 GT3といえば、ハイチューンの自然吸気ユニットを積み、後席を取り除くなど徹底した軽量化が追求されたピュアスポーツモデル。その真価を合法的に発揮したいのならば、サーキットに直行した方が無難とも言えるキャラクターが売りで、標準型の911とは異なる、“クルマを地面に張り付けてやろう”と言わんばかりのエアロディバイスや屹立したリアウィングなどで、溢れんばかりの“ヤル気”を周囲にまき散らしている。もちろん、それは「他人の目を意識するタイプ」のオーナーにとってはステイタスシンボルのようなもので、虚栄心も大いに満たしてくれることだろう。 しかし、GT3には乗りたいけど、あの“これ見よがし感”がちょっと気恥ずかしいという、奥
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